INTRODUCTION
#007


RIHGA ROYAL HOTEL
Osaka

[ABOUT]

約90年の歴史を誇るリーガロイヤルホテル。

2024年12月、クラブフロア「ロイヤルクラブ」ご宿泊のお客様専用ラウンジ「ロイヤルラウンジ」が、至高の寛ぎと洗練された空間へ、リニューアル。
「ロイヤルクラブ」は、イーストウイングの23階から27階までのフロアに位置し、開業以来「関西の迎賓館」と称されてきたホテルの象徴ともいえる、総延べ床面積843㎡の特別貴賓客室「ロイヤルスイート」を始めとする、全62室のクラブフロアです。

リノベーションコンセプトは、「歴史のかさなり」。
巨大な革を贅沢に使用し、“ 十二単”をイメージした数々のレザーアートを手掛けた、革職人 草ヶ谷 昌彦にインタビューしました。

今回このような素晴らしい取組に至った経緯は?

90年の歴史を誇るクラブラウンジ「ロイヤルラウンジ」が、“重なり”をコンセプトに、リニューアル。

レザーで重なりを表現するべく
十二単をイメージしたレザーアートを
手掛けさせていただきました。

巨大な作品を7枚製作。
1番大きなものは、3mくらいの作品もあった為、ショップがオープンしている時間は作業ができず、クローズした20時から夜中まで、そして定休日を利用し、来る日も来る日も職人に徹し、約1ヵ月半で完成。

そして、大阪へ。
“十二単”をイメージした7枚のレザーアート達を貼り付けていくのだが、これが思ったより簡単ではなく、ディレクターの内藤とカメラマンの武川さんの手を借りて、寸分狂わぬよう、慎重に、丁寧に。

革の良いところは、多少伸び縮みする特性があるので3人で息を合わせ、ゆっくり引っ張りながら全方向を意識して貼り合わせていく。

現場にハプニングはつきもので、7枚中の1枚が図面と5㎝弱の差がある事が判明し、至急会社へ連絡を入れ、革を明日着で表参道へ届けてもらうよう指示。

今夜中に他の6枚を終えて、最終で東京に戻り、明日午前中に革をカットしたら、また大阪へ向かおうと計画していたのだが、6枚が思ったより難航。

最終新幹線間に合わず、急遽ホテルを探し、大阪泊。
翌早朝表参道へ戻り、取り寄せた革をカットし、すぐ大阪へ向かい、最後の1枚が夕方にやっと完成!

全てが完成し、冷静に作品を目にし、
感動が込み上げてきた。
自分一人の力だけでは、成し遂げられなかった。

完成した作品をLINE-INCのデザイナー 升谷さんと共に眺めていたら升谷さんが、「革でこんな作品を依頼したのは初めてだったので、不安でした」と。

取り組んでいた約1ヶ月半、もちろん成功するイメージを持って挑んでいたが、全く不安がなかったかと言ったら嘘になる。

だから、升谷さんの、不安だった、と言う言葉を聞いた時、変な言い方かもしれないが、嬉しいと言うか、不安だったのは自分だけではなく、升谷さんも同じ思いだったのかと。
グッと、込み上げてくるものがありました。

僕も初めての挑戦で、作品に挑んでいる間は無我夢中だったし、時間との戦いだった。でも、不安やプレッシャーよりも「楽しい」が圧倒的に勝っていた。

こんな貴重な経験をさせていただき、幸せだ。
現場の方々、皆さんが優しかったし、全てに感謝です。

革は動物の命。
その命が、アートとなり、人の心に刻まれていく。
これが、僕のやりたかったことのひとつ。

また挑戦したいひとつひとつの仕事を実現していくよう
革職人として精進していきます!


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