柿渋染め

土へ還るレザー

Supplier : 天野宝国

「天然染料でレザーを仕上げられないか」

2003年、柿渋染めプロジェクトはスタートしました。

世界中で大量生産・大量消費が盛んになっていた時代。
大気汚染や水質汚濁の弊害も叫ばれはじめた中、
“ レザー業界として、ひとつのブランドとして何ができるのか ”
問い続けていた日々。


「もっと思い入れを持って使えるレザーを、環境に負荷のない自然のもので作れるはず」


草木染めや天然染料を得意とするタンナーを探し、サプライヤーとの度重なる試作を経て完成したレザー。
それが、柿渋染めです。

木目のような模様は手染めによる刷毛目。
何よりこの刷毛目のクリエイトが難しく、業界でも唯一無二の存在になりました。

染料のもととなるのは、まだ青いうちに収穫した渋柿の未熟果を搾汁し、発酵熟成させた柿渋。
皮やヘタなど余すところなくすべてを使い、ワインのようにじっくりと年月をかけ熟成させていきます。

BROOKLYN MUSEUM の柿渋染めレザーは、
柿渋のリキッドへ革をそのまま漬けるのではなく、木目のように見える模様を、受け継がれた職人技によって、手のひらほどの刷毛目で表現します。

その工程は、ヌメ革に柿渋(渋柿の圧搾液を発酵させたもの)を一枚一枚「刷毛」で塗り、 日光に当てる作業を繰り返すこと8回。染める回数は、原皮の状態・染める日の温度や湿度によって見極め、調整します。
この作業を丁寧に繰り返す事で、刷毛目による濃淡が模様となり、 日本独特の茶色「ジャパンブラウン」を醸し出すのです。

手作業で重ね塗りをしていくため、ひとつひとつ違った表情を持つ 「二つとして同じモノが出来ない」革に仕上がります。それこそが柿渋染めの醍醐味であり、 ぞれぞれの商品が一点モノとしてお楽しみいただけるプロダクト。
刷毛目を残し、深く色が変化していくエイジングもマッチし、多くのレザー好きを魅了してきました。

しかし、スタート当初から支えてくれていたタンナーが後継者不足で廃業。タンナーにあった全ての柿渋染めレザーをBROOKLYN MUSEUM が引き取ることで、なんとかプロダクトし続けることはできましたが、使い切ることは時間の問題でした。

「柿渋染めを無くすわけにはいかない」

伝統技法であることはもちろん、国内だけでなく、海外にもファンの多い柿渋染め。
どうにかこの刷毛目を再現できるタンナーはないのか、様々なタンナー・サプライヤーへコンタクトを取り続けましたが、無情にも月日は流れていくばかりでした。


そんなとき、出会えたのが天野宝国株式会社。

和歌山の熟練した職人による植物由来成分のみを使用した柿渋染めに巡り合えたのです。
ピット製法という日本では数少ない製法で仕上げた下地を使用。
さらにその下地は柿渋で染めるために、柿渋との最適な希釈濃度とタンニン含有量を厳守したものだというもの。
そして、柿渋の刷毛目塗りでは、色を付けるためだけの必要以上の塗り重ねを決して行わないというこだわり。
まさに革を愛する職人技の結晶でした。

自然のままの色で刷毛目塗りされた革を、理想の柿渋色になるまで天日干しを繰り返し、日々変わる太陽の日照時間により、何カ月もかかるものでした。
そして、理想の柿渋染めレザーの復活を実現させたのです。

染料、鞣し、仕上げに至るまでケミカルに頼らない創りにより、土へ還すことも可能なレザーに。

オレンジとブラウンが調和したカラー。
レザーに木目のような表情を映し出す〈柿渋染め〉は、“太陽の染め” とも称されてきました。


うすく、やわらかく、染まりながら、
陽の光でその表情を変え、
強くもやさしいマテリアルへと育っていく─。


職人の技術と誇り。
世界を魅了するレザーです。

※ピット製法とは、濃度の薄い槽から濃い槽へ段階を経て漬け込む為、手間をかけた分、肌目(吟先)はシャープに仕上がり、また、革の中の層までタンニンが浸透するため型崩れしにくい堅牢な革に仕上がる製法です。

「天然染料でレザーを仕上げられないか」

2003年、柿渋染めプロジェクトはスタートしました。

世界中で大量生産・大量消費が盛んになっていた時代。
大気汚染や水質汚濁の弊害も叫ばれはじめた中、
“ レザー業界として、ひとつのブランドとして何ができるのか ”
問い続けていた日々。


「もっと思い入れを持って使えるレザーを、環境に負荷のない自然のもので作れるはず」


草木染めや天然染料を得意とするタンナーを探し、サプライヤーとの度重なる試作を経て完成したレザーが〈柿渋染め〉です。

木目のような模様は手染めによる刷毛目。
何よりこの刷毛目のクリエイトが難しく、業界でも唯一無二の存在になりました。

染料のもととなるのは、まだ青いうちに収穫した渋柿の未熟果を搾汁し、発酵熟成させた柿渋。
皮やヘタなど余すところなくすべてを使い、ワインのようにじっくりと年月をかけ熟成させていきます。

BROOKLYN MUSEUM の柿渋染めレザーは、
柿渋のリキッドへ革をそのまま漬けるのではなく、木目のように見える模様を、受け継がれた職人技によって、手のひらほどの刷毛目で表現します。

その工程は、ヌメ革に柿渋(渋柿の圧搾液を発酵させたもの)を一枚一枚「刷毛」で塗り、 日光に当てる作業を繰り返すこと8回。染める回数は、原皮の状態・染める日の温度や湿度によって見極め、調整します。
この作業を丁寧に繰り返す事で、刷毛目による濃淡が模様となり、 日本独特の茶色「ジャパンブラウン」を醸し出すのです。

手作業で重ね塗りをしていくため、ひとつひとつ違った表情を持つ 「二つとして同じモノが出来ない」革に仕上がります。それこそが柿渋染めの醍醐味であり、 ぞれぞれの商品が一点モノとしてお楽しみいただけるプロダクト。
刷毛目を残し、深く色が変化していくエイジングもマッチし、多くのレザー好きを魅了していきました。

しかし、スタート当初から支えてくれていたタンナーが後継者不足で廃業。タンナーにあった全ての柿渋染めレザーをBROOKLYN MUSEUM が引き取ることで、なんとかプロダクトし続けることはできましたが、使い切ることは時間の問題でした。

「柿渋染めを無くすわけにはいかない」

伝統技法であることはもちろん、国内だけでなく、海外にもファンの多い柿渋染め。
どうにかこの刷毛目を再現できるタンナーはないのか、様々なタンナー・サプライヤーへコンタクトを取り続けましたが、無情にも月日は流れていくばかりでした。


そんなとき、出会えたのが繁栄皮革工業所。
日本で唯一LWG(Leather Working Group)の認証を受けたタンナーです。

革を愛するもの同士、何度もディスカッションを重ね、技術に情熱を注ぎ、トライし続けようやく復活にたどり着いたのです。
染料、鞣し、仕上げに至るまでケミカルに頼らない創りにより、土へ還すことも可能なレザーに。

オレンジとブラウンが調和したカラー。
レザーに木目のような表情を映し出す〈柿渋染め〉は、“太陽の染め” とも称されてきました。


うすく、やわらかく、染まりながら、
陽の光でその表情を変え、
強くもやさしいマテリアルへと育っていく─。


職人の技術と誇り。
世界を魅了するレザーです。

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