PRODUCT STORY

プロダクト誕生ストーリー

コードヴァンベルト

コードバンベルトGloss Cordvan Belt

“「メガネ」にこだわる理由”

コードバンとは、農耕馬の尻革の中でも繊維層が極めて緻密且つ堅牢な部分。馬1頭から採れる量が少なく、個体によってはコードバン層がそれほど形成されていない馬もいる為、世界的に希少価値が高まっています。

ブルックリンミュージアムのコードバンベルトは、コードバンの中でもさらに貴重な、尾てい骨部分を裁断していない「メガネ」を使用。
メガネは、50頭に1枚ほどしか採れない大判のレザーです。

メガネには「カネ」と呼ばれる尾てい骨付近の“コードバン層が無い部位”があり、多少のザラつきが出ることがあります。身につけているうちに自然と馴染み、美しいツヤが出るカネこそが、1枚革の証でもあります。

─なぜ、メガネにこだわるのか?

私たちが仕立てたいコードバンベルトは、継ぎ目のないドレッシーさ漂う、言うならば「シンプルイズベスト」。
そして、見た目の美しさだけではなく、へたりにくく、長年愛用できるレベルの「質」。
入手困難なコードバンでベルトを仕立てる以上、圧倒的な佇まいと、より高い品質を求めたい。
その一心から、ベルト作りを進めていきました。

“見えない部分。だからこそ、手を抜かない”

長年愛用できるかどうかのポイント。
それは、芯材選びです。
 
革と革の間に使われる芯材。おそらく芯材を見た事がある方は少ないのではないでしょうか。

ブルックリンミュージアムでプロダクトする全てのベルト芯は、タンニンなめしのヌメ革を採用。
一般的に合成素材を芯材にすることが多い中、渋床(しぶどこ)と呼ばれる芯材を使用することで、強度が増し、へたりにくくなります。
この外からは見えない部分にこだわり抜くことが、永くご愛用いただくために欠かせないポイントなのです。

また、「フェザー」と呼ばれる作り方にしていることもポイントのひとつです。
ドレスベルトの作り方として、ベルトの中心部分にボリュームをもたせ、3層構造に仕立てていく技術があります。この技術により、なめらかな曲線とソリッドな見た目の美しさがプラス。
ベルトを締めた時のフィット感もアップします。

表面はコードバン、裏には表面をサンドペーパーで毛足を立てたヌメ革を使用しています。更にバックルを取り付ける際には、ミシンではなく、4ヶ所をしっかり手縫いしている為、バックルを引っ張ってもビクともしないほど丈夫に仕上げています。

“「質」を保ち続ける使命”

バックルは真鍮を使用。
真鍮は、ずしっとくる重量感が高級感を漂わせながら、しっかりとした強度も兼ね備えた素材。裏面も丁寧に磨き上げてからメッキをかける事で、ベルト帯に傷がつかない様に仕上げています。

パーツひとつを取っても、全て手仕事にこだわり抜くからこそ、高い「質」が保たれているのです。

丁寧なグレージング仕上げにより、使い込むほどに美しいツヤが増し、上品さを醸し出すコードバン。

素材の特性上、その製法はひとつとしてミスが許されず、多くの職人たちの手間と時間をかけ仕上げられます。
素材の素晴らしさを最大限に感じて頂く為には、たとえ見えない部分であっても、全てにこだわり抜かなければ、せっかくの素材が無駄になってしまうのです。


商品の「質」を保ち続け、さらに高めていくことは、全ての職人たちの“プライド”を引き継ぎ、世の中に発信していく使命だと私たちは考えます。

素材の良さはもちろん、
つけ心地と細部に至るまで質を追求した、
ブルックリンミュージアムのコードバンベルトが完成しました。