プロダクト誕生ストーリー
PRODUCT STORY
IDケースID Case
ビジネスシーンにおいて欠かせないアイテムとなっているIDケース。2001年9月11日 に起きたニューヨークの出来事をきっかけとして、全世界でセキュリティが強化され、IDチェックがマストに。
日本にはまだセキュリティチェックは浸透しておらず、IDケースといっても、簡易的なプラスチック製だけという状況でした。
大手企業が徐々にエントランスでのIDチェックをスタートさせた頃、「プラスチック製以外のケースが欲しい」と、感度の高いお客様からリクエストをいただくように。
そこで、身につけて嬉しくなるようなワンランク上のIDケース開発に挑んだのです。
“1つ3役”
会社へ入館する際、ランチで出入りする際、帰宅する際・・・、様々なパターンを考えていくと、ID本体とストラップは取り外せることがベストでした。
当時、非接触型ICカードが普及しはじめたタイミングも重なり、パスケースとしての需要もあったのです。
本体とストラップをジョイントさせ首に掛けて使うパターン、
ストラップを外してスーツやシャツのポケットに直接付けるパターン、
パスケースとして使うパターン、
全ての使い方が出来るように設計していきました。
IDチェックをスムーズにするため、透明セルの窓パーツが必要でした。
当時定期入れ等に使われていたセルロイドの表面感が綺麗だったと言う事から、セルロイドをセレクト。
首からかけたときにチラッと見える裏面のレザーカラーや、ステッチカラーはもちろん、シルバーパーツも厳選し、ビジネスパーソンが持つ大人の艶を演出していったのです。
2002年春、レザーIDストラップを日本で初めて発表。
同年9月、ミラノで年に2回開催される展示会『MIPEL』に出展した際、日本のバイヤーの目にとまり、有名セレクトショップや百貨店などでも取り扱いがスタートしました。
しかし、発売後しばらくしてハプニング発生。
それは、セルロイドが割れてしまうということでした。
“ニューヨークと日本の違い”
日本にまだレザーIDケースが存在しなかったこの頃、年2回〜3回NYへの出張時、ニューヨーカーが実際に使用しているのをチェックしていきました。
すでにNYではICチップ入りのIDシステムを取っており、ケースは使わずIDをむき出しのままポケットから出してかざすか、プラスチックケースから出し入れしない状態の方がほとんど。今後、このシステムが日本にも浸透していくだろう、という想定のもと、窓パーツはセルロイドで製作することを決定。
しかしこの当時、まだ設備が整っていない日本企業が多く、守衛の方にカードを見せて入館する時代。IDを定期券などと一緒にケースへ入れているため、カードを出し入れする頻度が増え、セルロイドに負担が掛かり、割れが発生していました。
セルロイドが割れてしまったお客様には無料で修理をさせて頂きましたが、このパーツをどう改善するかを早急に考える必要がありました。
割れにくく、曲げにも強い素材をテストしていった結果、曲げ伸ばしに強い安定性、劣化しにくい耐久性、さらに、一般的なプラスチックと比較し石油使用量を抑え省資源にもつながる塩化ビニルを採用することになりました。
“時代や国に応じた柔軟性”
2005年後期、よりセキュリティシステムが普及する中、ビル入館時に1枚、フロアー入室で1枚、計2枚 IDカードを必要とする方が増え、両面使用できるモデルを発売。
さらに、外資系企業では縦型IDを多く採用していることや、縦長効果でよりスマートに見せたいという需要も高まり、縦型もプロダクト。
オプションでリールがプラスでき、ケースを身につけたままでもアクションがスムーズになりました。
テクノロジーの進化やライフスタイルの変化をキャッチし、アップデートを続ける─。
パーソナルが尊重される時代だからこそ、よりお客様にフィットするプロダクトを常に目指していきます。