「こんなに色が変わってたんですね・・・!」
スタッフ達がついニコリとしてしまう程、良い反応をしてくださったお客様。
今年で9年目になるという < 柿渋染め > のメンテナンスに、ご夫婦でご来店くださいました。
半年〜1年に一度はクリームケアを始めとしたメンテナンスを行ってほしいと提案するブルックリンミュージアムですが、普段のお手入れ時を覚えておくのは、なかなか難しいもの。
「メンテナンスはほとんど気にしたことがなかった」というお客様のお言葉とは思えないほど、革のヒビ割れや傷みがほとんどなく、とてもキレイな状態。
まさかそこまで長くご使用いただいているものとは思いもしなかったスタッフは、驚きを隠せませんでした。
入荷したばかりの商品と比べると一目瞭然。
アメ色に濃く変化した革は、柿渋染め特有の“刷毛目”をしっかりと残しつつ、見惚れるほどの艶が、これまでお客様と重ねてきた年月を物語るかのようでした。
「持ち歩くときは必ず胸ポケットですね。お尻のポケットには入れないようにしています、丁寧に使いたいので。」
そうおっしゃったお客様はとても穏やかな笑顔。
「実は・・・」と続けた言葉で納得しました。
「奥さんからのプレゼントなんです、両方とも。」
ご友人から紹介されたというブルックリンミュージアムを気に入ってくださり、誕生日プレゼントとして、奥様からお財布をもらった旦那様。
「すごく嬉しかった」という旦那様は、奥様の誕生日に、 < フレンチカーフ > の鮮やかなオレンジで仕上げられたお財布をプレゼントされたそう。
奥様のお財布も、フレンチカーフの変わらない鮮やかさと、丁寧にご使用いただいたからこそ生まれた艶が非常にキレイな状態でお持ちいただいていました。
お互いを想う気持ちがカタチとなり、そのカタチが日常に溶け込んでいく──
ソレを見る度、“あの瞬間”を思い出す──
そんな時間を共に過ごしてきたからこそ、お二人を映すかのようなその輝きは、美しさと深さを持ち合わせていました。
「新しい」からこそ見える素材の繊細さや、ステッチワークの美しさ。
そしてそれ以上に、使い込むことで生まれる色合いの深みや、革の馴染み、気に入ったものを持つことでもたらされる心の豊かさは、時間を経ることでこそ、感じられるものです。
お二人の優しい空気に触れ、スタッフは気持ちが満たされていく感覚に包まれました。
お客様それぞれの物語から成る『ブルックリンミュージアム』。
これからもその物語をそっと彩るブランドでありたいと感じたスタッフたちでした。