今からさかのぼること、数十年前。
お客様が小学生だった頃のお話です。
お客様が小学4年生の頃、学級委員長になられ、そのお祝いにお祖父様からこのようなお話が。
「お祝いのご褒美に、カメラか時計、どちらか選びなさい。」
その時、お客様は、「カメラ」を選択。
そして待ちに待ったその日、お祖父様とご褒美のお買い物へ。
着いた先は、「時計屋さん」でした。
幼かったお客様は、首をかしげ、
“あれ?カメラっていったんだけどな・・・”
と心の中で思いましたが、目の前にはたくさんの腕時計がずらりと並んだその光景に、子供ながらに胸が高鳴ったそう。
「今の年頃だけ似合うものでなく、一人の男性として、時を経ても永く愛用できる立派な時計を選びなさい。」
お祖父様の温かい想いから一緒に選ばれた腕時計。
当時は、お盆や正月など特別な時だけ付ける事を許してくれました。
それから何年もの月日が経ち・・・
ある時、クローゼットの整理をしていた時、箱を見つけました。
何十年ぶりに時計との再会。
一気に想い出がよみがえり、
「少し雰囲気を変えて、また付けてみよう」
そんな想いから、今回のオーダーに。
クラシックでありながら、文字盤のカラーが個性的なとても素敵な時計でした。
文字盤のスモーキーブルーを引き立たせながら、シックな雰囲気に仕立てるため、「柿渋染めのクロコダイル」をベースでお作りすることになりました。
ステッチはオレンジをチョイスし、エレガンスでありながら、知性さを醸し出すコントラストで遊び心を。
ベルトの裏革は、文字盤のスモーキーブルーに合わせ、アクアブルーをチョイス。 見えないところにニクい演出が素敵ですね。
45年の時を経て、新たな息を吹き返した腕時計。
完成品を腕に巻かれた時のお客様の笑顔に、私たちスタッフも温かな空気に包まれました。
時代を超えて、ずっと愛せるものを。
引き継がれていく想いに、新たなテイストを。
“あなただけのストーリー”を形にいたします。
青山本店にてお待ちしております。