西山 健 × 草ヶ谷 昌彦スペシャル対談
こだわりの共鳴Vol.1~合同展を振り返って~
西山 健 × 草ヶ谷 昌彦スペシャル対談
こだわりの共鳴Vol.1~合同展を振り返って~
西山 健 × 草ヶ谷 昌彦
スペシャル対談
こだわりの共鳴Vol.1~合同展を振り返って~
7月13日~15日の3日間に南青山のSTUMP BASEで開催されたライフスタイル合同展示会。「Beautiful Lifestyle」をテーマに、アパレル、スポーツ、ジュエリー、フレグランス、次世代型家電、ウェルネス、雑貨からナチュラルワインまで計12ブランドが集い、出展者、来場者ともにたくさんの幸せな出会いが生まれました。今回は、その仕掛人にして、ブルックリンミュージアム代表・草ヶ谷の盟友でもある、西山健さんとのスペシャル対談をお届けします。
■今回のお相手
西山 健
1978年、神奈川県生まれ。株式会社プラザ代表取締役。「心地よさの極み」を追求した至高のカットソーブランド「T'」デザイナー。
草ヶ谷:先日はお疲れさまでした。本当に貴重な機会をいただいてありがとうございました。
西山:こちらこそありがとう。多分、僕らはもちろんだけど、いた人みんな幸せになれたんじゃないかな。
草ヶ谷:そうですね。僕自身もすごく刺激をいただきましたし、お客様からも大好評で、今回来られなかったお客様から「次回は必ず行きたい」と言うお声を早くもいただいているんですよ。
西山:ありがたいな。あのあと、「よく集まりましたね」って色んな方から言われたけど、このために特別に集めた人たちというわけではなくて、普段から近くにいる仲間たちに集まってもらった感じだったから、空気感も自然だったよね。
草ヶ谷:本当に多種多様なブランドが集まっていて、みなさんクリエイティブで個性的でしたし、自分なりの素敵なこだわりを持っている方ばかりでしたよね。
西山:出展者も来場者も、みなさん“わかってる人”ばかりだから、初対面でもすごくポジティブでいい話をできてたんじゃないかな。「楽しかった」って声をたくさんもらったし、僕自身もすごく充実した時間だった。あの空気感とか世界観を色んな人と共有できたのが嬉しかったな。草ヶ谷くん個人としてはどうだった?
草ヶ谷:非日常感のある特別な合同展でしたよね。それに、健さんのフィルターを通して集まったブランドばかりだから、共感の度合いが半端ないなと。ただ共感するんじゃなくてその“深さ”がすごい。出展者同士もそうですし、初めてお会いする他ブランドのお客様とも、打ち解けるまでに時間はかからなかった。一体感が音楽フェス的な、そんな心地良さに包まれましたね。
西山:俺も同感。終わった後の余韻までも心地良くて。余韻まで楽しめるって最高だよね。
草ヶ谷:あの体験を色々な方に味わっていただけたら嬉しいですよね。
西山:実は、次のことも少し考えていて、次回はみんなが「ちょっと行ってみたいな」って思える場所でやるのもいいかなと思ってるんだよね。新しい場所や話題性のある場所。例えば、最近できたばかりのラグジュアリーホテルとか。
草ヶ谷:「ちょっと行ってみたい場所」への背中を押すイベント。その感覚いいですね。
西山:そして、今回集まってくれたブランドにくわえて、新しい仲間にも参加してもらえたらいいなと思ってる。
草ヶ谷:可能性が広がりますね。
西山:そのうち、この縁で集まったブランドたちで海外にも行けたらおもしろいかなって思ってるんだよね。例えば、パリ、フィレンツェ、シンガポール、NY、上海でやりましょうって。こう言うと、何かすごいことのように思えるけど、みんなで力を合わせれば全然可能だと思う。
草ヶ谷:僕もそう思います。共感共鳴の輪を世界に広めたいですね。
西山:合同展に集まってくれたブランドに共通するのは、みんな本当にものづくりに真面目な人たちってところだよね。安く作って利益を多く出したいという人はいない。とにかく良いものを作って、それが伝わる人に伝わればいい、というスタンスの人ばかり。
草ヶ谷:確かにその共通点は感じました。僕も20年、その価値観はブレませんね。
西山:もちろん、たくさん売れたら売れたでいいんだけど、自分の思いを曲げてまではやりたくないというところが根底にあるよね。こだわっている分、必然的に価格は高くなるけれど、良いものをちゃんと作って、それがわかる人に届くのが理想だよね。
草ヶ谷:そのスタンスを理解してくださる方をいかに増やすかですよね。共感の輪を広げていくというか。ひとりひとりとお話をして、魅力を感じていただくことが大事ですよね。
西山:バーンと宣伝して、「みんな来て!」じゃないところも大事だね。ひとり、またひとりとお客様にお客様を紹介していただいて広がっていく繋がりって良いよね。
草ヶ谷:ありがたいですよね。うちも、使っていただいて良いものだということを実感していただいたお客様から新しいお客様をご紹介いただくことが本当に多いです。健さんのブランドも同じだと思うんですよね。実際に着てみて、「着心地がいい」「気持ちがいい」って心から思えるからこそ、誰かに紹介したくなるというか。
西山:人に紹介するってことは、自分の中で自信がないと難しいからね。
草ヶ谷:そういう意味では、あの合同展は、紹介したくなるブランドばかりでしたよね。
西山:そう言ってもらえて嬉しいな。大事なのって、作り手の人柄もセットで、「紹介したい」と思えるブランドであることだよね。作り手とアイテムがセットで良い世界観であるというか。最近、“心地よさ”ってただ“良いもの”だけじゃないなって思うようになった。合同展は、「ブランド」「空間」「来場者」すべてがピタッとハマった完成形だったような気がするんだ。
草ヶ谷:しみますね、わかります。今後もブラッシュアップして良くしていきたいですよね。振り返れば振り返るほど、空間もメンバーもお客様も最高だったなと。幸せな気持ちが蘇りますね。
草ヶ谷:合同展もですけど、僕たち2人で一緒に何かを作ってみたいですよね。
西山:それもおもしろそうだね。生地と革をどう掛け合わせるか…。
草ヶ谷:例えば、バックとかおもしろいかもしれないですよね。健さんのブランドの生地は打ち込みが良いから、少し裏張りをすれば耐久性も十分でしょうし……。例えば、ハンドルはうちの素材にしてみるとか、革のタグを付けてみるとか……。
西山:なるほど。すごくいいアイディアだね。
草ヶ谷:もちろん、デザインは大事だと思うんですが、やっぱり、それも素材があってこそだと思うので、僕と健さんのこだわりが詰まった素材同士を掛け合わせると、本当に唯一無二のものができるんじゃないかなと思うんです。
西山:いいね。ブランドがこだわった素材同士でコラボするわけだね。
草ヶ谷:はい。それこそ、巾着みたいなものから、けっこう色んなものが作れるんじゃないかと思うんです。Tシャツ地だから、そのまま使えるもの、そうじゃないものもあると思うんです。何かしら加工をしなきゃいけないなとは思いつつも、素材の良さを活かしたいから余計なことはしたくない。それでいて、耐久性を担保できるデザインって何だろうって、2人で悶々と考えたら楽しそうだなって思うんです。
西山:こうして話してるとどんどんアイディアが出てくるね。次の合同展の時には、何かしらの形にできちゃうかもね。
草ヶ谷:想像するだけで、ワクワクしますね。
西山:ワクワク、大切だよね。未来を見据え、想像を創造に変えていきたいよね。
<Vol.2に続く>
Edited by Ryuichi Takao
Photography by Kenta Mukawa
Directed by Harumi Naito