モデルの大桑マイミさんが遊びに来てくださいました。
マイミさんから、
「前から気になっていたんですが、使えば使うほど良いエイジングになるレザーと、ならないレザーの差はなんですか?」
との質問が。
それは、『素材の作り方』と『作りのどこに手を入れるか』が大切になるという話をさせていただいたところ、興味深く聞いてくださり、マイミさんの真摯なお人柄が垣間見えました。
あらゆるレザーの触り心地も楽しんでいただき、
「このレザーがこんな艶になるんですか!」
「こんなにしっとりしたエイジングになるなんて、初めての体験です!」
といった驚きの声が印象的でした。
ブルックリンミュージアムのモノづくりへの想いを語らせていただきながら、マイミさんが「これ欲しい!」とピックアップされたのが、スクエアショルダーバッグ。
「このスクエアショルダーはワーキングママとして、レディースのディレクションをしている私のリアルな声から生まれたものなんです。」
とお話したところ、同じ母親同士、“あるある”話に。
日々仕事に家事に忙しい私たち。
雨の日も、台風の日も、ママに休みはありません。
『レザーバッグの大敵』とされてしまう、汚れや水分。小さな子どもは何かと手が汚れているし、雨だからといって、ゆったり傘をさしている余裕もない。
「水に濡れていてもシミになりづらい素材」は絶対条件の上、汚れても拭き取れば、しっかりキレイになることも外せませんでした。
そして、大事にしているこだわりがもうひとつ。
それは、内装はもちろんのこと、ポケットの内側にまでレザーをつかい、内側専用のレザーを6色作っていること。
「忙しいときは、ついつい気持に余裕がなくなってしまうこともあります。 でも忙しい日常は待ってはくれません。そんなとき、通勤中にふと開けるバッグ、買物時に開ける財布の“自分にしか見えない風景”にフッと癒される瞬間。こうゆう小さな『ときめきの積み重ね』があることで、前向きに過ごせる自分がいます。余裕がなかった気持が切り替えられることで、子どもや夫に優しくできる自分でいようと・・・せっかく持つなら“気持をあげてくれるモノ”を持ち歩きたいんです。」
マイミさん「私もそういう時があります。疲れているとき、家族に優しくできないときが。“私いま、余裕がないな。”と反省したり。 でも気持が上がることで、ゆとりができる。女の人にとって、バッグや財布は常に行動を共にしている、『身近な存在』ですよね。」
「おっしゃる通り、身近な存在ですよね。家族化するような感覚にも似たような・・・扱いに気をつかいすぎて、結果、出番が少なくなってしまうモノでは、機能面がクリアになりません。身近な存在になれるような機能性を想定し、素材選びからデザインまでを行っています。細かいことをいえば、内側のレザーも濡れてもほぼシミになりません。いちいちシミを気にしていては、子どものそばに近寄れないですよね。」
マイミさん「子どもが小さいと、それ大事です!そして、機能性をそこまで考えているなんて、ちょっと驚きです。このバッグのストラップが2本セットになっているのも、機能性を考えたってことですか?」
「そうなんです。女友達とのランチ、夫とのたまのデートでオシャレを楽しみたいときはワイドショルダー。ビジネスシーンや入学式・学校行事に活躍できるよう、ベーシックタイプのスリムショルダーを。母として、女として、フル活用できる“スキルの高さ”を兼ね備えたバッグが必要だと思っていて。歳を重ねるごとに“必要なモノだけあればいい”とシンプルな考えになってきていますね。」
目をキラキラさせ、うなずくマイミさん。
話はヒートアップし、子育て論や夫論にまで!
私たちのような子育て世代が革製品を使い、一部を繕い直しながら、子どもたちにリレーできるモノづくりや、モノを通して“良いものを大切にする文化”を伝えていける環境を作り続けていきたいと思っていること、そんなお話もしました。
「その想い、わかります。」
そうおっしゃったマイミさんの瞳は、とても澄んでいました。
親から子へ。
いつの時代も、語りつがれるものを。
「気分があがり、美術館にきたような優雅な気持になりました!」と喜んでいただき、素敵な出逢いに感謝です。